Vain Dreams » XG音源キャピタル音色の違い

XG音源キャピタル音色の違い

いったい誰得?(^^; な内容の記事ですが、XG音源のキャピタル音色(※Bank Select MSB=0/LSB=0、いわゆるGM音色)は音源により微妙に異なるのよというお話。

XG音源としては、モジュール型では MU80が最初に登場して以降、廉価版のMU50、以降 MU90(B)/100(B)/128/1000/2000(※以上、2011年8月時点で販売完了モデル)、現行モデルでは MU500、その他にもプラグインボード型の PLG100-XG、以外と知られていないところではエレクトーンやポータートーンの高級モデルにも伴奏用音源として内蔵されているという、細々ながらも生きながらえている音源です。

対する Rolandの SC系音源も初代 SC-55から SC系列では最後になる SC-8850まで結構なモデルが出ましたが、それぞれ xxMAP(xxは音源名)という固有のキャピタル音色を持っていて、考えようによっては扱いが非常に面倒でした(演奏するデータによってはいちいち手動でマップを切り替える必要があったので)。

じゃあXG音源のキャピタル音色はどうよ?と言う話ですが、全モデル共通…と認識している人が多いと思いますが(私もそうだった)、よくよく各音源の音色を聞き比べると、以下のクラスで音色に差が出ています。


  • その1:MU Basic Map(MU80以降音源に装備)

    MU80/90当時は MU Basic Mapという名前はありませんでしたが、後述する MU100 Native Map が登場したため便宜上つけられたもの。MU80/90(B) のキャピタルはこのマップ音色しかありませんが、MU100 以降では MU Basic Map と MU100 Native Map を液晶つきモデルでは本体で、液晶なしモデルではバンクセレクトで切り替え可能。

  • その2:MU Basic Map(MU50相当音源に装備)

    MU80の後に発売された廉価版 MU50では、パート数が削られた(32→16)他、音色ROMの容量も削られた(雑誌か何かを読んだときの記憶では MU80 で 8MBだったものが MU50 では 4MB)関係か、MU80のキャピタル音色やバリエーション音色と比べて鳴りが微妙に違う音色があります。

  • その3:MU100 Native Map(MU100 以降 MU2000 までの音源に装備)

    MU100登場当時の売りとして、キャピタル音色、特にピアノ、ギター、ストリングス、ブラスとドラムボイス(Standard Kit)が強化され、従来の音源との互換性を保持するため、従来のキャピタル音色とは別に MU100 Native Map という名称で用意されたもの。確かに差し替えられた音色の質(特にピアノ、ストリングス系)は高かったものの、その代償として音色のバランスが崩れてしまい、MU90までのXGデータや、GS音源をターゲットにチューニングされたGMデータを MU100 Native Map で演奏させると演奏が破綻するなんてことも…。MU Basic Map と MU100 Native Map を液晶つきモデルでは本体で、液晶なしモデルではバンクセレクトで切り替え可能。

  • その4:新キャピタル音色(PLG100-XG/MDP-5に装備)

    プラグインボードシステムのひとつとして登場した XG音源ボード PLG100-XG からこっそり(?)キャピタル音色が差し替えられています。マニュアルには一言も書いてませんが Webには「最新のウェーブを多数内蔵。プリセット音色もリファインし、サウンドクオリティを大幅にグレードアップ。」とかかれてますし(^^;。

    実際演奏させてみると、ピアノ、ギター、ストリングス、ブラスのほか、従来のXG音源の弱点だったドラムキット音色も、Standard Kit 以外も含めほぼ総差替え。また MU100 Native Map のときにあった、従来のXGデータ(MU Basic Map)を演奏させたときの不自然さもほとんどなく、ニュアンスこそ若干変わりますが純粋にクオリティアップできる優れものです。また、この変更はXGモードだけでなくGSモードにも反映されていて、GS音源用にチューニングされたデータも随分聴きやすくなっています。(特にドラムキットとして POWER Kit(PC#17)や ELECTRO Kit(PC#25)を使ったデータ)


…と能書きばかり書いてもわからないと思うので、上記4つの音色マップを使った演奏データを以下にサンプルとして用意したので、興味のある方は聞き比べてみて比べてみてください。

○以下、但し書き

  • 以下の演奏サンプルは、それぞれ下記音源で演奏したものを録音、MP3化したものです。

    PLG100-XG のSpec上は GSモードは無いことになっていますが、当方の確認では GS系の初期化メッセージを認識し、かつバンク切替にも対応出来ているので、GS音源用データの演奏検証にも利用しています。
    因みに、同一の音源部を持つと思われるMDP-5は明確に「GS対応」を謳っていますが、どのレベルまでの対応かは正直不明です(^^;。CM32系列の音色がないことは(演奏させて試した結果)確実なのですが…

    名称 使用(演奏)音源
    MU Basic Map(MU80以降音源) MU1000 Extended Edition
    (MU Basic Map)にて演奏
    MU Basic Map(MU50相当音源) PC9821C3-B2(NEC: DB50XG OEM)を
    NS5R(KORG)に搭載して演奏
    MU100 Native Map
    (MU100以降音源)
    MU1000 Extended Edition
    (MU100 Native Map)にて演奏
    新キャピタル音色
    (PLG100-XG以降音源?)
    PLG100-XG を搭載した
    MOTIF-RACK ES にて演奏
    TG300Bモード(MU80以降音源) MU1000 Extended Edition にて演奏
    ※SC系音源にあるマップ切り替えの概念はTG300Bモードには無し
    MU Basic Map(MU50相当音源) PC9821C3-B2(NEC: DB50XG OEM)を
    NS5R(KORG)に搭載して演奏
    GSモード
    (新キャピタル音色: PLG100-XG以降音源?)
    PLG100-XG を搭載した
    MOTIF-RACK ES にて演奏

     

  • 演奏サンプルとして利用しているMIDIデータのうち、日本ファルコム製データについては「ファルコム音楽フリー宣言」に従い利用させていただいています。

    #過去販売していたMIDIデータ集、およびゲームBGMとして収録されたMIDIデータを演奏・録音したものの
    #扱いがちと不明確なのが不安ですが…


○XG音源用サンプル曲
 その1:Network Sports(©Yamaha)

その昔、ヤマハ自身が利用フリーとして配布していた MIDIデータより。スポーツ番組のOPにありそうな感じの曲です(笑。XG音源をターゲットにした曲ですがキャピタル音色を使ったパートが多いので、各 Mapのキャピタル音色の傾向がつかみやすいかと思います。どのモードでもキチンとなってくれますが、Overdrive Guiter(PC#30)の音色が差し替えられた MU100 Native Mapでの演奏が少し不自然。曲のまとまりとしては PLG100-XGの演奏が一番よろしいかと。

    MU Basic Map(MU80以降音源)
    MU Basic Map(MU50相当音源)
    MU100 Native Map(MU100以降音源)
    新キャピタル音色(PLG100-XG以降音源?)

○XG音源用サンプル曲
 その2:Jazz Demo(©Idecs “Hyper Groove” 収録MIDIデータより)

Idecs社から過去に発売されていたフレーズ集に収録のジャズ調デモ曲から。XG音源をターゲットにした曲でキャピタル以外の音色を多用していることもあって各音色マップ毎の違いがわかりづらいですが、ドラム(Jazz Kit(PC#33))は PLG100-XG とそれ以外とで明確な差があります。また、ピアノ、ストリングス、ブラス系音色が強化されているた MU100 Native Map / PLG100-XG と特段強化されていない MU Masic Map では演奏クオリティに差が見られます。

    MU Basic Map(MU80以降音源)
    MU Basic Map(MU50相当音源)
    MU100 Native Map(MU100以降音源)
    新キャピタル音色(PLG100-XG以降音源?)

○XG音源用サンプル曲
 その3:Func & Hard Rock Demo(©Idecs “Hyper Groove” 収録MIDIデータより)

同じくIdecs社から過去に発売されていたフレーズ集に収録のハードロック調デモ曲から。XG音源をターゲットにした曲でキャピタル以外の音色を多用していることもあって各音色マップ毎の違いがわかりづらいですが、ドラム(Rock Kit(PC#17))は PLG100-XG とそれ以外とで明確な差があります。あとは MU100 Native Map の Overdrive Guiter(PC#30) の音色がその他 Mapと違うのが目立つところでしょうか。

    MU Basic Map(MU80以降音源)
    MU Basic Map(MU50相当音源)
    MU100 Native Map(MU100以降音源)
    新キャピタル音色(PLG100-XG以降音源?)

○GM音源用サンプル曲
 その1:INVASION(©日本ファルコム “新英雄伝説Ⅲ” 収録MIDIデータより)

データ中の初期化メッセージは GM System On のみ、使用されている音色はキャピタル音色のみ(ドラムキットも Standard Kit(PC#1)使用)という純然たるGM音源ターゲットのデータ。ストリングスとブラス多用のクラシカルな曲ですが、ストリングス系音色、ブラス系音色、Standard Kit が強化された MU100 Native Map / PLG100-XG と特段強化されていない MU Masic Map では演奏クオリティの差が歴然です。さらに MU100 Native Map と PLG100-XG の演奏でもさらに差が見られます。

    MU Basic Map(MU80以降音源)
    MU Basic Map(MU50相当音源)
    MU100 Native Map(MU100以降音源)
    新キャピタル音色(PLG100-XG以降音源?)

○GM音源用サンプル曲
 その2:TOWER OF THE SHADOW OF DEATH(©日本ファルコム “Ys Eternal” 収録MIDIデータより)

データ中の初期化メッセージは GM System On のみの “GM音源用”と銘打ったデータですが、ドラムだけは ERECTRO Kit(PC#25)指定という若干GMの定義からは外れたデータ。そのせいもあって PLG100-XG 演奏のデータが一番安定して聴けます(笑)。中間部バックの Over Drive Guiter(PC#30)は 唯一毛色が違う MU100 Native Map の音色がその他パートに埋もれ気味。あとは、Slap Bass 1(PC#37)の音色が MU Basic / MU100 Native / PLG100-XG それぞれで異なるのが興味深いところです。

    MU Basic Map(MU80以降音源)
    MU Basic Map(MU50相当音源)
    MU100 Native Map(MU100以降音源)
    新キャピタル音色(PLG100-XG以降音源?)

○GS音源(SC-55Mk2)用サンプル曲
 その1:砂の城(©日本ファルコム “SORCERIAN MIDI Collection” 収録MIDIデータより)

GS音源用データですが、使用されている音色はキャピタル音色のみの音源に優しい(笑 データです。冒頭の POWER Kit(PC#17)によるドラムソロ、それに続くベースソロ(Slap Bass2(PC#38))の差分に注目。特にドラムは PLG100-XG による演奏の方が断然聞きやすくなっていると思いますが、どうでしょう? その後所々で挿入される Organ3(PC#19)の音色差分も要注目。

    TG300Bモード(MU80以降音源)
    TG300Bモード(MU50相当音源)
    GSモード(新キャピタル音色: PLG100-XG以降音源?)

○GS音源(SC-55Mk2)用サンプル曲
 その2:船内(©日本ファルコム “SORCERIAN MIDI Collection” 収録MIDIデータより)

同じくGS音源用データですが、使用されている音色は(以下略。冒頭の Clean Guiter(PC#28)と ROOM Kit(PC#9)の違いに注目。

    TG300Bモード(MU80以降音源)
    TG300Bモード(MU50相当音源)
    GSモード(新キャピタル音色: PLG100-XG以降音源?)

柳瀬みっくが管理する、音楽(DTM)、お絵描きから雑多話まで、まったり更新中のサイトです。リンクはご自由にどうぞ。

Vain Dreamsばなー
連絡先:yanase.mick@biglobe.jp

最近のつぶやき
アーカイブ